毎年この時期に2日間に渡り福岡の市役所前で行われているイベント『The Creators』
そんな『The Creators』にて、レベルファイブ日野晃博さんとスクエニ吉田直樹の『未来のゲームについて語る』というセッションが行われました。
それについて、薄っすらとした記憶を辿りながら、レポートしていこうと思います。
メモとか取ってなかったので、雰囲気レポートです!!!
ゲームが好きな人、ゲーム業界に就職してみたい人、趣味でゲームを作っている人、作ってみたい人、そんな人たちに必見の内容となっております!
目次
日野晃博、吉田直樹とは
今回のセッション『未来のゲームについて語る』を行った二人について、簡単に紹介したいと思います。
日野晃博(レベルファイブ)
こちらが、日野晃博さんです。彼は、レベルファイブの代表取締役社長です。
レベルファイブとは、『妖怪ウォッチ』『イナズマイレブン』『レイトン教授』を世の中へ送り出し『ドラゴンクエストⅧ』『ドラゴンクエストⅨ』などの開発を行った会社です。
そして、『妖怪ウォッチ』などのレベルファイブ作品は、アニメから映画、ゲームなど全てが、この日野さんによって原案が出されており、今のレベルファイブの全ての生みの親です。
吉田直樹(スクウェア・エニックス)
こちらが、吉田直樹さんです。彼は、スクウェア・エニックスの開発担当執行役員 兼 第5ビジネスディビジョン ディビジョン・エグゼクティブです。
スクウェア・エニックスとは、日本人、いや世界中に知れ渡っている『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』を世の中へ送り出した会社です。
彼自身は、MMORPG『ファイナルファンタジーXIV』のプロデューサーであり、『旧ファイナルファンタジーXIV』を復活させて『新生ファイナルファンタジーXIV』へと進化させて、大成功させたスーパーマンです。
~インターネットを前提にした新しいゲームプレイの在り様~
パッチノートですらコンテンツ
パッチとは、データの修正や大幅な改変、改良をするためにデータを追加する時、
この追加するデータのことです。
普通、パッチを当てるといえば、不具合やバグの修正のことを指します。
しかし、FF14のパッチは「パッチ=コンテンツの追加」とも取れるのです。
FF14で、パッチを当てるとなれば、エリア、ダンジョン、新ジョブの追加など様々なことが行われるので、わざわざ会社の有休をパッチに合わせる人までいるくらいです。
また、パッチを当てる際は、もちろんゲームはメンテナンスに入ります。
その間に行われるのが、吉田直樹P兼Dによる生放送番組「パッチノート朗読会」です!
何が修正されるのか、何が変わるのか、何が追加されるのか、そういったことをただ読むだけです。
しかし、それこそが、ゲームがメンテナンス中もコンテンツをユーザーに届け続ける。
『パッチノートですらもコンテンツ』というわけですね!!!
コンテンツ⇔配信主⇔ユーザー
今や、ゲームはゲーム実況されて当たり前。
ゲームは「買って自分でやる」以外にも「人のプレイを見る」という楽しみ方が増えました。
そんな中で、今の時代は、ゲームが生配信される前提でゲームを構築していく必要があるというのです。
やって楽しい。見て楽しい。そんなゲームが求められる時代になりました!
~無駄を取り払った実に合理的なゲームデザイン~
コンテンツファインダー
コンテンツファインダーとは、コンテンツを指定したPTを手軽に組み、コンテンツを攻略することができるシステムのことです。
今では当たり前ですが、例えば、スマホのゲームで行きたいダンジョンを選択すると、そのダンジョンを選択している他の誰かと自動的にマッチングします。
そのシステムです。それを真っ先に取り入れたのが、オンラインゲームであり、FF14です。
これを何故導入したのか?
それは、オンラインゲームのネックは、ダンジョンにPTを組んで入りたいけど、PTを組むためにはチャットで誰かと知り合って、その人を誘って……といった手間がかかります。
さらに、この行動は、シャイな人が多い日本では特に難しい行動であり、PTを組めない人が多く存在します。
そこで、そんなシャイな人たちへの救済。そして、誰かと出会って誘う手間暇といった時間を削減する。
まさに、『無駄を取り払った実に合理的なゲームデザイン』というわけですね!!!
アイテム価値の管理(性能と見た目、両面から)
ゲーム内には数えきれないほどのアイテムが登場します。
それのアイテム価値を管理していかなければ、ならないのだそう。
例えば、「かっこよくて性能も良い」これは誰でも欲しくなります。
さて、「ダサくて性能がめっちゃ良い」「かっこいいけど性能はそこそこ」あなたはどちらを選びますか?
それぞれを選ぶ人が出てくるでしょう。
「かっこよくて超絶性能が良い」これは、ユーザーの目標を一気に集めることが出来ます。しかし、それは超絶困難なダンジョンで超絶低確率でしかゲットができません。
これで、廃人最強。俺つえー。という状況を作ることができます。
少し難しい話ですが、そういったアイテム価値を調整して、ユーザーに様々なアイテムを提供することが必要です。
よしだーーーっ!!!~ファンとの対話~
よしだああああああああああああああああ!!!
FF14ファン、ゲームファンなら誰でも知っている使い勝手の良いワード。
とりあえず何かのゲームで変なことがあれば「よしだあああああああ!!!」と叫びましょう。
とりあえず吉田のせいなんです。
吉田が悪いです。(悪くないです。
このように、プロデューサーである吉田Pはゲームファンから多くの人気を得ています。
また、レベルファイブの日野社長も同じように大人気です。
実は、会場に普通にいた『ナルティメット』シリーズや『.hack』シリーズを制作しているサイバーコネクトツーの松山社長もゲームファンからは人気です。(挨拶だけしました笑
今や、クリエイターが顔を出してファンと対話するのは当たり前になってきています。
このゲームをどんな奴が作っているのか?それを知れるというのは、プレイヤーに対して一種の信頼を与えます。
また、クリエイターがある種の芸能人化することで、ゲームの価値を高めることができます。
例えば、『メタルギア』シリーズを作った小島さん。
小島さんが新しい作品を作るぞー!となれば、みんな注目しますよね。
これからの時代は、これが更に加速して、テレビに普通にゲームクリエイターが出る時代もそう遠くないかもしれませんね。
実際、声優がテレビに出るなんて10年前は考えられませんでしたから。
スマホゲームの未来について
ほとんどのみなさんがやっていると思われる、スマホゲーム
これはどうなっていくのでしょうか?
吉田さん曰く、あと7年くらいで、コンシューマ(据え置き=PS4とか)とそんなに変わらなくなる。そして、スマホゲームとコンシューマゲームの境は無くなるんじゃないか
ということだそうです。
私もそう思います。
現に、日野さんのレベルファイブからも『妖怪ウォッチ』がスマホでリリースされますし、『スナックワールド』も3DS版と同じものがリリースされます。
つまり、2017年現在でもDSとスマホって境が無くなっています。
これもあと数年して、ハードが進歩すればスマホもPS4も変わらなくなる。
普通の人の感覚ではありえない!と思うのでしょうが、これをあえりる!!!と
そう考えることができないと、日々変わりゆくエンタメ業界で生き残っていくことはできないのでしょう。
課金について
さらっと話していたのでどこで話していたか忘れたのですが、『課金について』の話を書いていきます。
あなたはどういったタイミングで課金をしますか?
課金をさせるには、幾つかの仕掛けをしないといけません。
吉田さん曰く、課金をするときは大きく2つあるそうです。
1.目標があって、それに到達するためには、課金をして装備などを揃えないといけない
2.時間短縮
特に、忙しい日本人にとっては、時間短縮というのは大きい意味を持つそうです。
時間というのは、お金とは比べ物にならないほどの価値があります。
そんな時間をお金で買うというのは、課金行動として、最も有効な行動です。
つまり、これからゲームを企画する人は、課金してもらうためには、このような仕組みを提供しなければならないのです。
オープンワールド
『ゼルダはすごい』
レベルファイブでもスクエニでもないゲームのことですが、二人とも大絶賛をしていました。
そこで『FF14もすごい』という話になりました。
近年、外国のオープンワールドゲームに押されている日本。
そんな中、こんなレベルの規模で緻密な世界観を構築できるゲーム会社はそういない。
そう日野社長は旧FF14時代から、FF14のことを大きく評価していたそうです。
ただ、最初のFF14はエンターテインメント性が無かった。
映像が美しいだけなら映画でいい。
それをゲームにする必要があった。
そう吉田さんは語りました。
そして、『旧FF14』にエンターテインメントを付け加えた『新生FF14』が誕生したのだそうです。
ゲームとクロスメディア展開
クロスメディア?なんじゃそりゃ。
って人も多くいるのではないでしょうか?
クロスメディアとは、アニメ、映画、ゲーム、玩具など様々なメディアを通してコンテンツを提供することです。
『妖怪ウォッチ』を思い浮かべると想像しやすいですね。
アニメもやって、映画もやって、ゲームもあって、おもちゃもあります。
このように、ゲームをより多くの人に知ってもらうには、クロスメディアを行うのが当たり前になってきました。
ゲームの企画段階から、どうゲームを宣伝、流通、展開していくか考えておかなければいけない時代へ突入したというわけです。
ちなみに、レベルファイブはアニメ5タイトル、ゲーム3タイトルを既にストックしているのでお楽しみにしていてくださいということです!!!
まとめ
ゲームは面白いものを作るだけの時代ではなくなった。
今までのゲームの概念というものを取っ払った発想が必要になってきたと感じます。
どう課金してもらうか
どう宣伝するか
どう展開するか
よりマーケティング的な発想、よりユーザー目線の発想、そういったものがゲームにも必要になってきましたね。
ゲームは、これからさらに最高のエンターテインメントへと昇華していくでしょう。
映像を見れて、音楽も良くて、実際に体験できて、VRでより実体験に近づく……
映画も総合エンターテインメントと言われますが、ゲームは映画よりも総合エンターテインメントと言えるでしょう。
そんな、ゲームのノウハウを持っているゲーム会社はこれからエンタメ業界を牽引していく存在になると信じています。