映画「ダンケルク」映像表現を突き詰める!現代の無声映画!感想・評価・レビュー

個人評価 3.7 映画.com 3.7 Filmarks 4.0(2017/9/16時点)

監督:クリストファー・ノーラン 脚本:クリストファー・ノーラン

キャスト:フィオン・ホワイトヘッド/トミー トム・グリン=カーニー/ピーター ジャック・ロウデン/コリンズ ハリー・スタイルズ/アレックス アナイリン・バーナード/ギブソン


2017年09月09日に公開された映画「ダンケルク」

監督は、私の大好きなクリストファー・ノーランという監督です。

そのため、大変楽しみにしていた映画なんです!

今回の映画「ダンケルク」

これは、言葉に表すのがとても難しい映画だと感じました。

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あらすじ

生き抜け。

海の町ダンケルクに追い詰められた英仏軍40万人。
若き兵士トミーは絶体絶命の地から脱出できるのか?

フランス北端ダンケルクに追い詰められた英仏連合軍40万人の兵士。背後は海。陸・空からは敵――そんな逃げ場なしの状況でも、生き抜くことを諦めないトミー(フィオン・ホワイトヘッド)とその仲間(ハリー・スタイルズ)ら、若き兵士たち。

一方、母国イギリスでは海を隔てた対岸の仲間を助けようと、民間船までもが動員された救出作戦が動き出そうとしていた。民間の船長(マーク・ライランス)は息子らと共に危険を顧みずダンケルクへと向かう。英空軍のパイロット(トム・ハーディー)も、数において形勢不利ながら、出撃。こうして、命をかけた史上最大の救出作戦が始まった。果たしてトミーと仲間たちは生き抜けるのか。勇気ある人々の作戦の行方は!?

引用元:映画「ダンケルク」公式HP

映像表現を突き詰める!現代の無声映画!

この作品、本当にセリフが全然無い!!!

監督であるクリストファー・ノーランは、“脚本”“映像表現”双方ですごい才能を持っている人です。

今回は、そんなクリストファー・ノーランが“映像表現”を極めようとした挑戦作だと思います。

ただ、そのせいで賛否両論が巻き起こっています。

スーパーヒーローも大逆転も無い。事実の「ダンケルク」

映画「ダンケルク」©ワーナー・サービス

先に書いた通り、この映画はセリフがほとんど無いです。

主人公がどんな部隊に所属しているか?

どんな生い立ちなのか?

周辺がどんな状況なのか?

そんなことは一切出てきません。

主人公トミーは、“撤退”する大勢の中の一人でしかありません。

また、敵は誰もが分かるであろう ドイツ軍 に他ならないのですが

そのドイツ軍

出てきません。(正確にはほんのわずかに登場する

強いて、戦闘機が登場するくらいなのです。

この映画。

本当にただただ“撤退”をするだけの映画なんです。斬新すぎる……

そこには、 ドイツ軍 を蹴散らすスーパーヒーローもいなければ

ピンチな戦況に味方の大隊が到着して ドイツ軍 を蹴散らすこともありません。

来るのは、救出に向かう駆逐艦と民間船くらいです。

そこに描かれているのは、“生きる”ために“撤退”する主人公と、圧倒的不利にも立ち向かう民間船とわずかな空軍の有志。

そして、圧倒的なリアル。

撮影は、すべて実写。

熱い戦闘機のドッグファイトもすべて実際に戦闘機にカメラを付けて撮影しています。

結果、この映画は、淡々と「ダンケルク」の“撤退”が描かれているのです。

この時点で、大きく賛否両論が巻き起こるでしょう。

ちなみに、そんなリアルな「ダンケルク」をよく理解するために林先生から教えてもらうのも良いかもしれません!分かりやすいですよ!

戦争という“ナニカ”を表現した概念の塊「ダンケルク」

映画「ダンケルク」©ワーナー・サービス

この映画、単に面白かった面白くなかったで言えば、たぶん面白くないのでしょう。

しかし、そういう映画ではない気がしました。

この映画が描いているのは、「生きる」とか「戦争」とかいう何かよく分からないものを表現しているのだと思います。

主人公は特別でも何でもない “一兵卒”

敵は ドイツ軍 とすら言われない “The Enemy”

繰り返される船の沈没。空軍のドッグファイト。

脚本は物語性の無い、リアル。

悪く言えば淡泊 よく言えば捻りの無い映画となっていました。

なんだか、批判染みた表現に見えますが、私はこの映画好きでした。

これほど、映像を見させられたと感じた映画はほかにありません。

目の前に広がる、その「ダンケルク」を見させられることで、ある種のモヤモヤした感情が生まれます。

それが、「生きる」とか「戦争」とかいう概念を見させられた結果だと思います。

まとめ「ダンケルク・スピリット」

この映画は、落ちこぼれがヒーローになるような、よくある「体験」映画ではありません。

どちらかというと言葉では言い表せないような「概念」

そして、「ダンケルク・スピリット」を映像として見せてくれます。

とても、斬新で新しい映画の在り方をクリストファー・ノーランがこじ開けようとしていますね。

チャレンジャーな方は是非見てみると良いと思います!

ちなみに、見るなら絶対IMAXが良いですよ。IMAXで見て良かったって本当に思えます。

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